Conviviality

2021

wool

700×220(cm)


「Conviviality」

異なる者たちが織り成す美しい世界。
2020年、COVID-19によって起こった様々な出来事は「病」としての問題はもちろん、この社会の持つ差別や格差などの問題を浮き彫りにしました。

そんな中で行われた「コロナ禍で先の見えない時代にアートで光を差す」というコンセプトの横浜西口地下街の壁面作品制作のプロジェクトが「ENLIGHT2021」でした。

私はこの制作に参加するにあたり、浮き彫りになった差別や格差による断裂を超えて、すべてのものが混じりあい刺激しあってこそ生まれる、多様性が織り成していく美しい世界を壁面に完成させたいと考えました。
作品タイトルの「Conviviality」は自立共存という意味です。

“宴”を意味する言葉から生まれたという「Conviviality」という単語は外部に開かれた不協和音の雑然とした喧騒を感じさせる積極的な力強い「共生」なのです。

ハーモニーのようなみんなで合わせてひとつの予定している“美しい調和”を作り上げる「共生」ではなく、それぞれのリズムで、おのおのの思いのまま、偶然と必然の衝突や奇跡を繰り返して行きつ戻りつしながら“変化し続ける美しい喧騒”をはらんだ「共生」が世界のひとつの在り方なのではないかと思うのです。
 
作品ではそんな想いを込めた、陸の獅子、空の鳥、海の魚…と住む所の違う者たちが何にもとらわれず、それぞれの鮮やかな色を放ちながら混じりあって、ひとつの大きな美しい世界を織り成しています。

 

この作品が印象的な光やリズムとして街行く方々に届いてくれますように…